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Mr.井出のオススメ映画
2019/09/24

20周年と仮想現実と映画と

英揮ブログ


言わずと知れた名作映画『マトリックス』。

公開から今年でちょうど20年だそうで、
その記念ということか、全国劇場で4DX版
(座席が動いたり水が飛び出したりするなどアトラクション化した上映形態)が公開されております。

さて、『マトリックス』公開の1999年当時。

まだ小学1年生だった自分は劇場でこの作品を観ることはありませんでしたし、
そもそも観ようとも思えませんでした。

小学生の高学年になったころにテレビで同作を観ましたが、
迫力も魅力もあまり感じられず、
アクションシーン以外の内容はほとんど覚えていないほど。

それからも定期的に同作の鑑賞に挑戦することがありましたが、
その作風にいまいち乗れず、
テレビの前で寝てしまうこともしばしば……。


そして時は経ち、2019年9月現在。

同作が劇場で再公開されることを知った自分は、
「大きなスクリーンで観ればまた感想が変わるのでは?」と思い立ち、
早速観てまいりました。


ということで、今回は『マトリックス』の感想になります。



あらすじ


プログラマーのトマス・アンダーソンは、
ニューヨークの会社で真面目に働きつつ、
裏社会では凄腕のハッカー〝ネオ〟として活躍していた。

ある日、謎の人物からメッセージを受け取った彼は、
トリニティという女性と出会う。

ネオは彼女に誘われるままモーフィアスという人物と出会い、
この世界の大きな秘密を知ることになる……。




20年前の映画とは思えない!『マトリックス』の魅力


面白かった……。


まさにエンターテイメント映画の王様

映画を構築するすべてが高水準で、
現代の基準に照らし合わせても文句なしに楽しめる映画でした。


まず、なんといってもアクションがスゴイ


アクション映画にまだまだ勢いがある1999年当時、
ハリウッド映画のアクションシーンといえば、
とにかく「爆発・爆発・爆発!」で、
よく言えば豪華、悪く言えば大味なものばかり。

そんな中で『マトリックス』が見せてくれたのが、
香港映画にリスペクトを捧げたカンフーアクション

1対1、もしくは複数対1で繰り広げられる動きが洗練された格闘というのは、
当時としてはかなり新鮮だったと思われます。


カンフーばかりではなく銃を使ったアクションも素晴らしい。

物陰から遠距離で撃ち合うか、
なぜか主人公を綺麗に避けて飛んでいく銃弾の中を走りながら銃を撃ちまくるかという2パターンしか無かった当時のガンアクション界隈に、
ワイヤーアクションという撮影技術を取り入れることにより、
飛んで走って至近距離で銃弾を避けまくる主人公という現実ならあり得ない絵面に説得力を持たせることに成功。

後の『リベリオン』をはじめとした、
スタイリッシュガンアクションムービーの元祖を観ることができます。


上記のようなアクションを陳腐にさせない設定もスゴイ


ワイヤーアクションは人間には不可能な動きをさせる撮影技術ゆえ、
下手をすればアクションが安っぽく見えるという欠点があります。

しかし『マトリックス』の場合は、
機械に地球を支配され、
すべての人間は仮想現実の中に閉じ込められているというサイバーな世界観を構築しているため、
いくら「あり得ないだろう」という動きをしても許されるのです。

また設定といえば、
たとえば『仮想現実での死は現実世界の死と直結している』などといった、
仮想現実を取り扱った作品群においては今ではすっかり『お約束』となった設定の数々を作中で見ることができ、
「すべての作品はマトリックスに通じているんだなぁ」としみじみ思うこと請け合いです。


そしてそんな設定に負けない骨太のストーリーもスゴイ

機械からの支配を受ける現状をよしとせず、
敵の目を欺いて仮想現実から逃げ出したわずかな人間が、
人類の自由のために機械に対して無謀な戦争を仕掛けるという大げさな話を、
わかりやすく、かつ斬新に2時間半足らずでまとめ上げたのは本当に見事。


随所に散りばめられた小話はSF的、または哲学的で、
振り返ってみれば難解に感じる部分すらあるのに、
鑑賞中はそれを一切感じさせないのは、
『当初は臆病だった主人公が仲間との交流や敵との闘いを経るうちに、
自身に宿る本当の力に目覚めて憎き敵を倒す』、
という王道を真正面から描き切ったためでしょうか。

語るには20年遅い今さらな感想の数々でしたが、
良い作品は何度褒めたっていい。

まだご覧になったことがない方がいたら、
是非ともご鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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