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2019/10/01

特殊スキル「日本語の脳」!

英揮ブログ
DR_ACさんによる写真ACからの写真

こんにちは、茉莉花です。



あれはちょうど9月の半ば。


仕事をしていたら外からアブラゼミの鳴き声が聴こえてきた。


ツクツクボウシでさえも聴かれなくなった今になって・・・。


セミはよく「成虫となってから1週間しか生きられない」なんて

聞くけど、実際は2週間から1か月程度生きるらしい。


それにしても遅すぎる・・・。


あなた達のお仲間はすでに伴侶を見つけ、そして子孫を残しながら

その生涯を全うしたと思われる。



季節の波に乗り遅れた1匹のアブラゼミ・・・。


外の世界に繰り出した時にはすでに『負け組』だったのかなんて

考えたら、あの「鳴き声」はなぜか淋しい「泣き声」に思えてきた。

あぁ・・・なんと切ない。


そして季節は移り変わる。


夕方以降に聴こえてくる涼やかな虫の音は秋を感じさせてくれる存在。




"虫の音"を愛でる 日本の風習


日本では昔から「虫の音」を「虫の声」ととらえ愛でる風習があり

『源氏物語』や『枕草子』の中にもスズムシやマツムシが描かれています。



また、このような風習は中国にもあり、古くは唐の時代には

虫の音を愛でる風習があったとされています。


一方で西洋諸国には虫の音を愛でる風習はなく、ただのノイズ=騒音として

認識されると言われています。


なぜこのような違いが起きるのかとして理由に挙げられているのが

日本人と西洋人の脳の働きの違いです。




虫の音"を言語として捉える


人間の脳は右脳と左脳に分かれています。

左脳は話す・書くなどの言語能力に長けた脳で,計算や分析力などを得意とし、

一方、右脳は芸術分野など、感覚的に捉える物事を得意としています。



「虫の音」を聞いたときにまずどちらの脳で優先的に捉えるか。


日本人は左脳で処理をし、西洋人は右脳で処理することがわかっています。

考えてみれば童謡に「虫の音」を言語で表現しているものありましたよね?


それがこちら♪



 ♪あれ マツムシが鳴いている チンチロ チンチロ チンチロリン


  あれ スズムシも鳴き出した リンリン リンリン リインリン

  秋の夜長を 鳴き通す ああ おもしろい 虫の声

  
                 ~童謡「虫のこえ」より~




また「虫の音」などの自然音を言語脳である左脳で受け止めるかは

日本人であっても、日本語を母国語として最初に覚えたかどうかで決まり

人種ではなく育った母国語の違いである可能性が高いとされている。


そして日本語と同じパターンは世界でもポリネシア語でしか見つかっていない。


ってことは・・・虫の鳴き声を「声」として認識できるのは

世界中で日本人とポリネシア人だけってことになる。


自然音を文字にすることができる能力、日本語の脳、

大事にしていかないといけないのかもしれない。




~おまけ~

学生のころ、キジバトの鳴き声を「デデッポッポー」と教わった。

そのことを同僚に話したら笑われたことがある。

もしかしたらこの特殊スキルを持っていないのかな(笑)




Japan On the Globe 国際派日本人養成講座
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h14/jog240.html

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