Mr.井出のオススメ映画
2018/06/21
最近は、大手の動画配信サイトがますます勢力を伸ばしています。
アマゾンプライムビデオやhulu、dTVなど、数あるサイトの中で最も大きいのは、
登録者数が全世界1億人を突破したと発表があったネットフリックスでしょうか。
かく言う私もここの会員で、
毎日のように映画やドラマを楽しんでおります。
さて、今回ご紹介する映画は、
ネットフリックスオリジナルの長編ドキュメンタリー、
『イカロス』になります。
以下、あらすじとなります。
ネタバレもありますのでご注意ください。
アマチュア自転車競技の選手で映画監督のブライアン・フォーゲルは、
現行のドーピング検査の体制に疑問を抱き、
それがどのように行われているのか調査を始める。
調査に当たってフォーゲルは、
ロシア反ドーピング機関所長であるグリゴリー・ロドチェンコフの力を借りることになる。
調査は順調に進んでいく。
しかし事態はあることをきっかけに思わぬ方向へ急転する……。
実話文書の改ざん、産地の偽造、証拠の隠ぺいなどなど、
多種多様な組織犯罪が定期的にワイドショーを盛り上げます。
『イカロス』でスポットを当てられるのは、
2014年に世界を揺るがしたロシアドーピング問題について。
同じ組織犯罪でも国ぐるみというのですから、
まったく規模が違います。
しかし今作、
初めからロシアのドーピング問題にスポットを当てようとして撮影が始まったのかと言えばそうではありません。
当初フォーゲル監督は、
「現行のドーピング検査体制は医療機関や専門家の協力があれば検査をパスすることが出来るでは?」という疑問を検証するべく、
自らの身体を実験台にしてこの映画を撮り始めました。
嬉々とした表情で自分の太ももにドーピングを打つ人を見るというのは、
なかなか斬新な体験です。
雲行きが怪しくなってくるのが、
ロシア反ドーピング機関の研究所所長を務めるロドチェンコフ氏が出てきてから。
小太りで白髪の、
気のよさそうなオジサン感溢れる彼が、
「ドーピングなんて僕も現役時代にやっていたよ」なんてことをさらりと言い出すのが、
笑える反面恐ろしい場面です。
さて、
ロドチェンコフ氏は自らの立場を利用して監督のドーピング行為隠ぺいに全面的に協力します。
基本的な隠ぺいの流れとしては、
『尿検査の結果を研究所にて改ざん→大会運営側に提出する生体パスポート(ドーピングをしていないという証明書のようなもの)に改ざん結果を反映』という、
至ってシンプルな手順を踏むのですが、
これがまたいともたやすく行われるのです。
見ている限り、
「ちょっとお金を出せばわりと誰でも出来るのでは?」と思わせるほどでした。
映画の方向性がガラリと変わってきたのが調査の最中、
ロシアドーピング問題が世界的に報じられ、
その中心人物としてロドチェンコフ氏が関与していたことが発覚した時のこと。
ここから検査体制の問題云々は立ち消え、
ロシアにおけるドーピング文化がメインの話となります。
ドーピング問題が世界的に報道されてから、
ロドチェンコフ氏は身の危険を感じて単身アメリカへ逃亡。
すると彼の予想していた通り、
ドーピングに携わっていた関係者たちが謎の心臓発作で次々と亡くなっていきます。
そんな中でロドチェンコフ氏は、
政府主導で行われたソチ五輪でのドーピング行為について告白していくのですが、
これが本当に恐ろしい。
氏の話によれば、
ロシアの諜報機関であるKGB全面協力の元、
陽性反応が出る尿をクリーンな尿に変えていたというのですから、
ロシアの本気度が伺えますね。
しかし、こうやって映画の流れを書いていると、
「本当に偶然が重なって撮れた作品なんだな」と改めて実感します。
普通の映画だったら、
「ドーピング検査体制への疑問 → ロシア国ぐるみのドーピングの真相を暴く!」
なんてどんでん返しは許されませんからね。
ドキュメンタリー映画ではありますが、
展開や構成も巧みな上に、
近年大々的に報道された出来事ということもあり、
最後まで飽きずに観られることは間違いありません。
ネットフリックスに加入するようなことがあれば、
是非ともご覧になってみてはいかがでしょうか?
『イカロス』ネットフリックス公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80168079
スポーツと疑惑と映画と
最近は、大手の動画配信サイトがますます勢力を伸ばしています。
アマゾンプライムビデオやhulu、dTVなど、数あるサイトの中で最も大きいのは、
登録者数が全世界1億人を突破したと発表があったネットフリックスでしょうか。
かく言う私もここの会員で、
毎日のように映画やドラマを楽しんでおります。
さて、今回ご紹介する映画は、
ネットフリックスオリジナルの長編ドキュメンタリー、
『イカロス』になります。
以下、あらすじとなります。
ネタバレもありますのでご注意ください。
あらすじ
アマチュア自転車競技の選手で映画監督のブライアン・フォーゲルは、
現行のドーピング検査の体制に疑問を抱き、
それがどのように行われているのか調査を始める。
調査に当たってフォーゲルは、
ロシア反ドーピング機関所長であるグリゴリー・ロドチェンコフの力を借りることになる。
調査は順調に進んでいく。
しかし事態はあることをきっかけに思わぬ方向へ急転する……。
事実は小説よりも……「イカロス」の魅力
実話文書の改ざん、産地の偽造、証拠の隠ぺいなどなど、
多種多様な組織犯罪が定期的にワイドショーを盛り上げます。
『イカロス』でスポットを当てられるのは、
2014年に世界を揺るがしたロシアドーピング問題について。
同じ組織犯罪でも国ぐるみというのですから、
まったく規模が違います。
しかし今作、
初めからロシアのドーピング問題にスポットを当てようとして撮影が始まったのかと言えばそうではありません。
当初フォーゲル監督は、
「現行のドーピング検査体制は医療機関や専門家の協力があれば検査をパスすることが出来るでは?」という疑問を検証するべく、
自らの身体を実験台にしてこの映画を撮り始めました。
嬉々とした表情で自分の太ももにドーピングを打つ人を見るというのは、
なかなか斬新な体験です。
雲行きが怪しくなってくるのが、
ロシア反ドーピング機関の研究所所長を務めるロドチェンコフ氏が出てきてから。
小太りで白髪の、
気のよさそうなオジサン感溢れる彼が、
「ドーピングなんて僕も現役時代にやっていたよ」なんてことをさらりと言い出すのが、
笑える反面恐ろしい場面です。
さて、
ロドチェンコフ氏は自らの立場を利用して監督のドーピング行為隠ぺいに全面的に協力します。
基本的な隠ぺいの流れとしては、
『尿検査の結果を研究所にて改ざん→大会運営側に提出する生体パスポート(ドーピングをしていないという証明書のようなもの)に改ざん結果を反映』という、
至ってシンプルな手順を踏むのですが、
これがまたいともたやすく行われるのです。
見ている限り、
「ちょっとお金を出せばわりと誰でも出来るのでは?」と思わせるほどでした。
映画の方向性がガラリと変わってきたのが調査の最中、
ロシアドーピング問題が世界的に報じられ、
その中心人物としてロドチェンコフ氏が関与していたことが発覚した時のこと。
ここから検査体制の問題云々は立ち消え、
ロシアにおけるドーピング文化がメインの話となります。
ドーピング問題が世界的に報道されてから、
ロドチェンコフ氏は身の危険を感じて単身アメリカへ逃亡。
すると彼の予想していた通り、
ドーピングに携わっていた関係者たちが謎の心臓発作で次々と亡くなっていきます。
そんな中でロドチェンコフ氏は、
政府主導で行われたソチ五輪でのドーピング行為について告白していくのですが、
これが本当に恐ろしい。
氏の話によれば、
ロシアの諜報機関であるKGB全面協力の元、
陽性反応が出る尿をクリーンな尿に変えていたというのですから、
ロシアの本気度が伺えますね。
しかし、こうやって映画の流れを書いていると、
「本当に偶然が重なって撮れた作品なんだな」と改めて実感します。
普通の映画だったら、
「ドーピング検査体制への疑問 → ロシア国ぐるみのドーピングの真相を暴く!」
なんてどんでん返しは許されませんからね。
ドキュメンタリー映画ではありますが、
展開や構成も巧みな上に、
近年大々的に報道された出来事ということもあり、
最後まで飽きずに観られることは間違いありません。
ネットフリックスに加入するようなことがあれば、
是非ともご覧になってみてはいかがでしょうか?
『イカロス』ネットフリックス公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80168079