Mr.井出のオススメ映画
2017/06/13
今回紹介する映画は、
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」になります。
40年以上も前に日本で放送されていた永井豪原作の「鋼鉄ジーグ」に影響を受け、
イタリアで製作されたこの作品。
イタリアのアカデミー賞に当たる映画賞では16部門にノミネートされ、
うち主演男優賞や監督賞を含む7部門を受賞して海の向こうでは大きな話題を呼びました。
以下、あらすじになります。
イタリアに住む町のチンピラ、エンツォは、
警察の追っ手を振り切るために飛び込んだ川で放射性物質を全身に浴びたことにより、
人間離れした怪力と強靭な肉体を得る。
超人的な力を私利私欲のために使っていた彼だったが、
世話になっていたセルジョという男が自分の見ている前で殺されたことから責任を覚え、
彼の娘であるアレッシアの面倒を見ることになる。
日本のアニメである「鋼鉄ジーグ」の大ファンであるアレッシアは、
エンツォのことを鋼鉄ジーグの主人公である司馬ヒロシと重ねて慕うようになり、
またエンツォも彼女に惹かれていく。
そんな徐々に心を通い合わせていくふたりの前に、
悪の組織のリーダーであるジンガロという男が現れ……。
ハリウッドでは大金を掛けたヒーロー映画が乱発して製作されています。
マーベルコミック原作の「X-MEN」シリーズや「スパイダーマン」シリーズの大ヒット以来、
年に最低3本は製作されている印象です。
そんな〝ヒーロー飽食時代〟の現代で、
いくら自国の映画賞を総なめにしたとはいえ、
規模も予算も人材もハリウッドに大きく下回るイタリアの映画がそこまで面白いのだろうかと思いながら鑑賞したのですが……
甘く見すぎていたことを後悔するほど素晴らしい映画でした。
どんなヒーローだって生まれた時からヒーローなわけではありません。
現実的に考えてみれば、
たとえ超人的な力を偶然に得たところで、
その力を正義のために使うような勇気ある人は出てこないでしょう。
この映画の主人公・エンツォだってそうです。
どこにでもいる普通の男性……
というよりもただのチンピラでしかなかったエンツォは、
せっかく手に入れた力をATM強盗や現金輸送車の強盗などに使用します。
そんなどうしようもない男がアレッシアとの出会いによって正義の心を得ていく過程が、
この映画の何よりの魅力なのです。
ひとりの男がヒーローになるという物語は、
決して斬新というわけではありません。
むしろ、この手の物語は手垢にまみれていると言っても過言ではないほどありふれたものです。
しかしそれでもこの「鋼鉄ジーグ」が新鮮に感じたのは、
無駄に複雑になった昨今のヒーロー映画にはない〝真っすぐさ〟があったからです。
ストーリーは至ってシンプル。
出てくる人物も少なめで、
互いの関係性も単純です。
最近流行りのヒーロー同士の争いや、
政治や社会問題に絡めた要素もありません。
しかしそういった無駄な枝葉が無いからこそ、
深く考えずストーリーにのめり込めるのです。
主人公のエンツォは、
スーパーマンのように空を飛ぶことは出来ませんし目からビームを出すこともできません。
2010年代の後半にしてはあまりにヒーロー映画らしからぬ地味な映像が続きますが、
しかし、ラストシーンを観た後は必ず、
「これぞヒーロー映画だ!」と思うこと間違いないでしょう。
新宿の劇場ではまだまだ上映中ですので、
興味がある方は鑑賞してみてはいかがでしょうか。
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』公式サイト
http://www.zaziefilms.com/jeegmovie/
クールジャパンとヒーローと映画と
今回紹介する映画は、
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」になります。
40年以上も前に日本で放送されていた永井豪原作の「鋼鉄ジーグ」に影響を受け、
イタリアで製作されたこの作品。
イタリアのアカデミー賞に当たる映画賞では16部門にノミネートされ、
うち主演男優賞や監督賞を含む7部門を受賞して海の向こうでは大きな話題を呼びました。
以下、あらすじになります。
あらすじ
イタリアに住む町のチンピラ、エンツォは、
警察の追っ手を振り切るために飛び込んだ川で放射性物質を全身に浴びたことにより、
人間離れした怪力と強靭な肉体を得る。
超人的な力を私利私欲のために使っていた彼だったが、
世話になっていたセルジョという男が自分の見ている前で殺されたことから責任を覚え、
彼の娘であるアレッシアの面倒を見ることになる。
日本のアニメである「鋼鉄ジーグ」の大ファンであるアレッシアは、
エンツォのことを鋼鉄ジーグの主人公である司馬ヒロシと重ねて慕うようになり、
またエンツォも彼女に惹かれていく。
そんな徐々に心を通い合わせていくふたりの前に、
悪の組織のリーダーであるジンガロという男が現れ……。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」の魅力
ハリウッドでは大金を掛けたヒーロー映画が乱発して製作されています。
マーベルコミック原作の「X-MEN」シリーズや「スパイダーマン」シリーズの大ヒット以来、
年に最低3本は製作されている印象です。
そんな〝ヒーロー飽食時代〟の現代で、
いくら自国の映画賞を総なめにしたとはいえ、
規模も予算も人材もハリウッドに大きく下回るイタリアの映画がそこまで面白いのだろうかと思いながら鑑賞したのですが……
甘く見すぎていたことを後悔するほど素晴らしい映画でした。
どんなヒーローだって生まれた時からヒーローなわけではありません。
現実的に考えてみれば、
たとえ超人的な力を偶然に得たところで、
その力を正義のために使うような勇気ある人は出てこないでしょう。
この映画の主人公・エンツォだってそうです。
どこにでもいる普通の男性……
というよりもただのチンピラでしかなかったエンツォは、
せっかく手に入れた力をATM強盗や現金輸送車の強盗などに使用します。
そんなどうしようもない男がアレッシアとの出会いによって正義の心を得ていく過程が、
この映画の何よりの魅力なのです。
ひとりの男がヒーローになるという物語は、
決して斬新というわけではありません。
むしろ、この手の物語は手垢にまみれていると言っても過言ではないほどありふれたものです。
しかしそれでもこの「鋼鉄ジーグ」が新鮮に感じたのは、
無駄に複雑になった昨今のヒーロー映画にはない〝真っすぐさ〟があったからです。
ストーリーは至ってシンプル。
出てくる人物も少なめで、
互いの関係性も単純です。
最近流行りのヒーロー同士の争いや、
政治や社会問題に絡めた要素もありません。
しかしそういった無駄な枝葉が無いからこそ、
深く考えずストーリーにのめり込めるのです。
主人公のエンツォは、
スーパーマンのように空を飛ぶことは出来ませんし目からビームを出すこともできません。
2010年代の後半にしてはあまりにヒーロー映画らしからぬ地味な映像が続きますが、
しかし、ラストシーンを観た後は必ず、
「これぞヒーロー映画だ!」と思うこと間違いないでしょう。
新宿の劇場ではまだまだ上映中ですので、
興味がある方は鑑賞してみてはいかがでしょうか。
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』公式サイト
http://www.zaziefilms.com/jeegmovie/