シリーズ映画。どこから観る?
「スターウォーズ」という名前を聞いて、
ぴんとこない人はいないと思います。
公開当時は全3部作として予定されていたこの映画も、
現在では実写映画の本編だけでも7本。
今後公開されるものも含めれば9本。
これにスピンオフまで加えれば11本にまで及び、
こうなるともうどこから観ればいいのかわからなくなってきます。
ハリウッドの大作映画にはシリーズものが多い傾向にあります。
先に挙げた「スターウォーズ」シリーズや、
ブルース・ウィリスが主演を務める「ダイ・ハード」シリーズ、
アーノルド・シュワルツェネッガーが主演の「ターミネーター」シリーズ、
シルベスター・スタローンが主演の「ロッキー」シリーズなどが有名どころでしょう。
近年では、「マーベル・シネマティック・ユニバース」という、
ひとつの世界観を共有した長期に渡るアメリカンコミックの実写化シリーズも現在展開中であり、
その作品数は公開したものだけでも15本、
公開予定の作品も含めれば全23本にも及びます。
日本の「釣りバカ日誌」の作品数が全22本ということを考えれば、
相当な数だということがわかるでしょう(ちなみに、「男はつらいよ」シリーズは全48本と圧倒的)。
シリーズ映画も2本以内であれば、
順番通りに観てもいいかなという気分になるかもしれませんが、
仮にそのシリーズが5本や6本も続いていれば、
普通の人なら躊躇するところ。
そこで出てくるのが、「シリーズ映画。どこから観る?」問題なのです。
面倒な時は「転換期」から観るべし!
表題の通り、長期に渡るシリーズ映画を観るときは「転換期」から観るのをオススメします。
しかし、この「転換期」とは何なのか?
5月現在、新作が公開中の「ワイルドスピード」シリーズを例に説明しましょう。
こちらの作品、
第1作目は凄腕のストリートレーサーで構成された強盗集団に潜入した捜査官の、
苦悩と友情のカーアクション映画でした。
2作目になって主要キャストが一人抜けましたが、
基本的な方向性は変わらないまま。
3作目になって、
とうとう「1」、「2」と主演を務めていた俳優が降板した上、
舞台もアメリカから東京に移り、
名前が同じというだけでシリーズ感の全く感じられない映画になった後、
公開されたのが4作目でした。
どんな交渉があったのかはわかりませんが、
「4」になると同時に「1」の主要キャストが揃って復帰。
どうしても地味な感じが拭えなかった「1~3」のカーアクションをグンと派手するためなのか、
火薬使用量と破壊される車の数が大幅に増量されたのもここからです。
ただのカーアクション映画ではなく、
秘密兵器の代わりに車を使った「007」に様変わりし、
そして現在の「8」に至ります。
このように、
良くも悪くも作品の方向性について大きく舵が切られた時点を、
私は「転換期」と呼んでいます。
シリーズ映画にとっての「転換期」はだいたいいつごろ?
シリーズ映画の転換期はいつごろ来るのでしょうか?
5作品以上続くシリーズの場合、
たいていは4作目で転換期がやってくると考えていいと思います。
というのも、
ハリウッド製のシリーズ映画は「3」まで作って一旦区切りをつける場合が多いのです。
「3」以降に続編を製作してもマンネリ化して飽きられると考えられているのか、
キャストとの契約と関係があるのかは定かではありませんが、
多いことには間違いありません。
「ロードオブザリング」や「スターウォーズ」、
「ロッキー」や「インディージョーンズ」など、
3作品目で区切りをつけたシリーズを挙げればキリがありません。
(もちろん、「ハリーポッター」のような小説を原作とした作品などでは例外もありますが……)
しかしここで注意点がひとつ。
4作目でシリーズが終わっている場合、
そこから観るのはオススメしません。
製作された4作目が全く面白くなかったことが考えられるからです。
その場合はおとなしく「1」から観るのがオススメします。
「5つも6つも続編がある映画なんて観られない!」という話は最もだと思います。
ですが、5つも6つも続編が製作されるのには理由があるのです。
長すぎるシリーズ映画を敬遠している方は、
4作目から観るという手段を選んでみるのも悪くはないのではないでしょうか。