映画『Mr.ノーバディ』感想
今回ご紹介する映画は、
ボブ・オデンカーク主演のアクション映画、
『Mr.ノーバディ』となります。
あらすじ
ハッチ・マンセルは職場からも家族からも頼りない男として扱われていた。
ある日の夜、
そんなハッチの家に二人組の強盗が入る。
強盗への反撃のチャンスはあったものの、
ハッチは何もせずに強盗を逃がしてしまう。
強盗を逃がした件で家族や職場の同僚から責められたハッチは、
腹の底に溜め込んでいた静かな怒りを目についた不良たちに対して爆発させ、
全員まとめて叩きのめしてしまう。
しかし、倒した不良のうちひとりにロシアンマフィアのボスの弟がいたことにより、
彼は執拗に命を狙われることになり……。
「舐めてた相手が実は……」系の映画にハズレ無し!
映画『Mr.ノーバディ』の魅力
「舐めてたオジサンが実は戦闘マシーンでした」系のアクション映画(通称:ナメテーター)は
近年数多く製作されております。
リーアム・ニーソン主演の『96時間』シリーズ、
デンゼル・ワシントン主演の『イコライザー』シリーズ、
キアヌ・リーヴス主演の『ジョン・ウィック』シリーズなど……数を挙げればキリがありません。
今回紹介する『Mr.ノーバディ』もまさにそれで、
「頼りないオジサンが実はCIAに所属していた暗殺者で……」
というある種お約束感のある設定とキレのあるアクションで観客を楽しませてくれます。
物語はボブ・オデンカークが演じるハッチの日常からスタート。
路線バスで職場まで通勤する様や、
ゴミ出しを忘れたことで奥さんから責められる光景、
子供からは冷たくあしらわれる姿など、
哀愁漂うオジサンの日常をコミカルかつテンポよく描写していきます。
このまま物語が進行すると家族の愛を取り戻すハートフルコメディみたいになってしまいそうですが、
そうはなりません。
愛する娘が大事にしていた猫のブレスレットを家に押し入ってきた強盗が盗っていった疑惑が浮上してから、
物語は一気にヒートアップ。
かつてのスキルをフル活用してスムーズに強盗を見つけ出すと、
「ネコちゃんのブレスレットを返せ!」と拳銃を片手に詰め寄るのです。
しかし、強盗がわざわざ子供用の猫のブレスレットを盗っていくなんてあるわけがなく、
この件は誤解だと判明。
消沈したハッチは強盗達の元を後にするのですが……
深夜の路線バス内で暴れていた不良達を見て物語は再度ヒートアップ。
やり場のなくなった怒りを八つ当たりとばかりに叩きつけます。
個人的にはこのバスの中で繰り広げられる格闘シーンが本当に好み。
アクション映画の主人公にあるまじきレベルでボコボコにされながらも、
錆びついた戦闘スキルを気迫と執念でカバーして容赦なくやり返すオデンカークには、
鬼気迫るものすら感じました。
バスでの一件を終えた後は、
敵となる存在もただの不良から武装組織へと大幅にレベルアップ。
とはいえ、
主人公の容赦のなさと戦闘力も不良を相手にしている時より大幅にレベルアップするため苦戦することは一切ありません。
サクサクサクと敵を撃破していくうちに物語は最終盤へと進み、
戦いの舞台はハッチの職場へ。
カネの力で事務所を丸ごと買い取ったハッチはお手製のトラップを仕掛けて敵を迎え撃つのですが、
この辺りが元祖・ナメテーターともいえる映画『ランボー』を彷彿させて非常に愉快。
終盤のアクションシーンは決して斬新さを感じさせるものではないのですが、
さすが映画『ハードコア』のイリヤ・ナイシュラー監督作品というべきか、
キレ良くまとまったひとつひとつのシーンが切れ目なく繋がっており、
スピード感あふれるものに仕上がっていて観ている人を飽きさせない作りでした。
全体を通してアクションに次ぐアクションの連続で、
また上映時間も90分強ということもあり、
サックリと観られる印象。
アクション映画が好きなら見ても損はない出来だと思いますので、
是非映画館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
『Mr.ノーバディ』公式サイト
https://www.universalpictures.jp/micro/mr-nobody