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Mr.井出のオススメ映画
2017/12/12

ピエロと青春と映画と

英揮ブログ


今回ご紹介する映画は、スティーブン・キング原作の「IT~それが見えたら終わり~」です。

以下、あらすじとなります。

ネタバレもありますのでご注意ください。



あらすじ


1990年、アメリカのデリーという小さな田舎町では子供が行方不明になる事件が頻繁に起きていた。

被害者のひとりを弟に持つビルは、
夏休みに入ったのを機にその事件を引き起こした犯人の正体を友人達と共に追っていくが、
そのうちに恐ろしい幻想に悩まされるようになる。

それでもくじけることなく事件を追っていく彼らは、
古くから町に住む悪霊が事件の犯人だと気づいて……。



ただ怖いだけのホラー映画ではない? 「IT」の魅力

あらすじやCM、PVに騙されることなかれ。

この作品はホラー映画ではありません。

「IT」で検索すれば、
不気味なピエロの画像がずらりと並ぶことでしょう。

こんなキャラクターが出てくる映画がホラーではないなんて、
にわかには信じられないと思われます。

しかし実際、
この映画はホラーなどではないのです。

今作は、『IT』と呼ばれる悪霊の存在を通じて絆を深める少年達の青春映画なのです。

ざっくり言えば、
「E.T」のお化け版といったところでしょうか。


もちろん、作中にホラーシーンが無いというわけではありません。

『IT』の登場シーンは確かにどれも恐ろしく、
耐性が無い人にとってはとても見ていられないようなシーンが続きます。

しかし繰り返し断言します。
これはあくまで青春映画です。


主人公のビルをはじめとする物語の中心人物である少年達は、
タチの悪いいじめっ子達に目を付けられており、
負け犬クラブ(ルーザーズ)などと酷いあだ名を付けられ、
虐げられる生活を送っています。

そんな彼らに追い打ちをかけるように襲ってくるのは、
『IT』が引き起こす怪奇現象の数々。

一般的なホラー映画であれば、
『IT』に恐れ、逃げ惑う彼らを中心に据えて物語が進んでいくことでしょう。

ですが彼らは逃げません。

それどころか彼らは、
紆余曲折の末に「自分たちがどうにかしなければ被害者は増えるばかりだ」と言って勇気を振り絞り、
『IT』に対して立ち向かうことを決めるのです。

少年達が勇気を出してからは映画の雰囲気はがらりと変わり、
ホラーな空気から一転、先述したような青春映画に。

正直言って、
この展開に至るまでは終始薄目を開けて観ていた自分ですが、
もう怖くはありません。

鉄パイプや銃を使って物理的に悪霊を追い込む、
思っていた以上にアグレッシブな主人公達の活躍を存分に楽しみました。


こういった面が受けてなのか、
公開からひと月経った今でも客足が伸び続け、
国内の週間の興行収入ランキングではとうとう1位にまで躍り出ました。

話題が話題を呼び、
池袋某所の映画館では週末になるとどの時間帯も満員になるほどらしいですが、
もしお時間あれば鑑賞してみてはいかがでしょうか?




『IT イット それが見えたら、終わり。』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/

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