TOP > 英揮ブログ > 血液について
その他
2019/06/04

血液について

英揮ブログ
Hamattiさんによる写真ACからの写真                            


こんにちは、EIKIの馨です。

タイトルはこんなのですがグロくないので大丈夫です!(多分)

何で人間の血は赤いの?とかそんな感じの話です。




血液の色


怪我した時などに見る血は基本的に赤いですよね。


まず、何故ヒトの血は赤いかについて。


血液には肺で取り込んだ酸素を体の隅々まで届け、

また二酸化炭素を回収して肺に戻すという役割があります。

血漿という液体部分と血球という細胞成分からできていて、

この血球の9割以上が「赤血球」です。

赤血球1個は細胞とは言ってもただの袋みたいなもので、

中身の約1/3をヘモグロビンが占めています。

このヘモグロビンが赤い色素を持っているために血は赤く見えています。


赤血球中の残り2/3はほとんど水です。



「ヘモグロビン」って皆さん名前は知っていると思います。


血液検査で血色素という項目はヘモグロビンのことです。


実は色素である「ヘム」とタンパク質である「グロビン」がくっついたもので、

人間の場合はグロビン2種類×2、ヘム×4です。

このヘムの方には鉄原子が入っていて、

この鉄が酸素と結びついた(酸化した)時の色が赤いので
血液は赤いという事になります。



大事な鉄


上記のように、赤血球にはたくさん鉄が入っているわけですが、

体内に十分な量の鉄が無いとヘモグロビンが作れず量が減ってしまい、
そうすると運べる酸素の量が減ってしまいます。

これが貧血です。怠かったり頭痛や眩暈を起こします。


脳にも十分な酸素が行き渡らないような酷いものだと倒れたりすることも。



女性に貧血が多いのは、月経や妊娠、

ダイエットによる栄養バランスの乱れでなりやすいのと、
元々男性より赤血球の数が少ないことが原因です。

なんで少ないのかというと、

造血幹細胞というどの血球にもなれる細胞が
赤血球になる為に必要なホルモンがあって、
そのホルモンの生成を促しているのが男性ホルモンであるため。

足りないところはやっぱり食べて補おうという事で、

以下の食材がおすすめらしいです。


ほうれん草・レバー・ひじき・小松菜・貝類・たこ・いか・ココア・チョコレート(カカオ成分の多いもの)・ナッツ類・胡麻 etc…

https://www.sonysonpo.co.jp/md/i_hch001.htmlより



血の色(番外編)


超余談で赤くない血の話を少し。


人間の血はヘモグロビンの中の鉄が赤色の原因ですが、

生き物によっては鉄以外で別の色のものもいます。


銅(ヘモシアニン)

元々の色は無色透明ですが、酸素と結びつくと青になります。

エビやカニなどの節足動物やイカやタコなどの軟体動物に見られます。


人間のような血管ではなく体組織に空いた穴を直接体液が通っていて、

その体液に溶けている状態で循環しています。

ヘモグロビンのように血球に袋詰め状態ではありません。



バナジウム(バナビン、ヘモバナジン)

海の生物であるホヤから発見された緑色の色素。

ほぼ血球中に含まれていて、

ヘモグロビンやヘモシアニンと同じく酸素運搬をしていると考えられていました。

最近の研究では酸素運搬はしておらず、

「バナジウムを集めて溜め込むのに関係するタンパク質」だそうです。

何のためにそんなにバナジウムを集めているのかはっきりしませんが、

恐らく自身を有毒にして外敵から身を守る為に
高濃度で溜め込んでいるのではないかという説が有力です。

因みにホヤはヘモシアニンも持っていて、

そっちで酸素運搬を賄っているらしいです。


実物さえ見なければ血の色を想像してみるのも
そうグロいことではないと思います。

他にも紫だったりピンクだったりするのもいるみたいなので、

調べてみると面白いかもしれません。



参考

血液について-(一社)日本血液製剤協会
http://www.ketsukyo.or.jp/blood/blo_01.html

バナジウム濃縮-生物学者はこんなことを考えている
http://feynmanino.watson.jp/2400_vanadium.html

関連記事