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2018/01/09

糖分!!

英揮ブログ


こんにちは、EIKIの馨です。

冬になって夜寝る前など温かい飲み物が欲しくなるので、
最近はコーヒー牛乳を温めてラム酒たらしてみたりしているのですが、
皆さん牛乳飲んでお腹が…みたいな経験ないでしょうか?



乳糖不耐症(牛乳系)


人間を含め哺乳類は生まれて暫くの間母乳で育ちますよね。


この時まだ消化器官では「ラクターゼ」という酵素が活性化していて、
「ラクトース(乳糖)」という糖を分解できるようになっています。

ところが離乳期になるとこの酵素の活性は終わってしまいます。

自然界において乳児期以外では、同種であれ異種であれ
母乳を口にする機会はありませんから必要ないという事ですね。

そうして乳糖を分解する能力が激減し、
消化不良で腹痛や下痢を起こしやすくなるというわけなのです。

というわけで大人はほとんど乳糖不耐症です。

ただ、酵素が完全になくなってしまう人ばかりでもなく、
症状が出ない、または少量なら大丈夫という人も多いんじゃないでしょうか。



大人になっても酵素が活性化したままの人もいます。

長い歴史の中で獲得した遺伝子の変異であるとか、
個人が幼少期から牛乳などを呑む生活を続けた結果適応したとか説は分かれますが、
日本人は割合ダメな人が多いそうです。

逆に古くから牧畜を営んでいる地域には酵素が活性化し続けている人がおおいみたいです。



ラクターゼ持続の遺伝子が知られている先住民における成人の割合




http://www.joeroe.eu/blog/lactose-intolerance-around-the-world/



まあ、アレルギーとは違うので、常識的な量を飲んでいる分には

多少お腹が痛かったり下痢や吐き気くらいで命に係わるようなことはなさそうです。

因みに乳糖は、「糖」というからには甘いのですが、
蔗糖(一般的な砂糖)の4割程度しか甘みがないのです。

アイスクリームなんかは牛乳を使っていますが、
乳糖を別の二種類の糖、ガラクトースとグルコース(ブドウ糖)に分解させ、
甘みを増すためにラクターゼを使ったりもしています。



果糖不耐症(砂糖・フルーツ系)



日本人に関してこっちはほとんど心配しなくていいほど少ない病気です。

記録では3家系だけだそうで。

ヨーロッパやアメリカでも2万~3万人に1人くらい。


遺伝で果糖(フルクトース)を体内利用するための酵素が欠損しているのが原因です。
果糖は果物系や蜂蜜なんかに多く含まれていて、
砂糖の主成分、蔗糖もブドウ糖と果糖がくっついたものです。

ブドウ糖をエネルギーとして使ったり貯めておいたりするのを邪魔するので、
ちょっと摂取しただけで低血糖になります。


生まれてから母乳保育中は症状が出ず、
離乳食が始まって果物や砂糖などを摂取し始めて発症します。

症状は中々激しくて、腹痛、下痢、冷汗、痙攣など。

そのまま摂取し続けると発育が遅れたり肝硬変になったり最悪致死性です。


ただ、果糖の摂取をやめれば治ります。

幼児期以降は自然と甘いものを嫌いになるそう。

食事制限も大変。砂糖の代用品ソルビトールもだめだそうです
けれどそれもあって果糖不耐症の人はほとんど虫歯にならないのが特徴です。



私は甘いもの好きなのでコーヒー牛乳もかなり甘くしますが、
皆さんも甘いものを食べられる幸運な健康をお持ちなら
歯磨きくらいは気を付けた方がいいかもしれませんね。

それでは良い甘味ライフを!



参考:
家庭版/23.小児の健康上の問題/遺伝性代謝疾患 http://www.msdmanuals.com/ja-jp/
小児慢性特定疾病情報センター https://www.shouman.jp/details/8_5_59.html

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